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【少人数】上智大学理工学部を元メーカー勤務アラサー卒業生が紹介してみた【四谷キャンパス】

上智大学理工学部ってどうなの? 大学受験

本記事では私が学部・修士と6年間過ごした上智大学理工学部について紹介したいと思います。今まで幾度と無く「上智って理工学部あるんだ?」と言われ続けてきました。これを読んで少しでも認知いただければ幸いです。ネット上で語られがちなイメージについても言及していきます。

私が上智大学に入った経緯についてはこちら↓をご覧ください。

基本情報

上智大学理工学部についてあまり知らない方も多いと思うので、まずは基本的な情報についておさらいしましょう。受験生の方に知ってもらいたい注意点も述べていきます。

キャンパス

他の学部と一緒に4年間、東京都千代田区にある四谷キャンパスで過ごします。

学科

  • 物質生命理工学科
  • 機能創造理工学科
  • 情報理工学科
  • 物質生命理工学科英語コース グリーンサイエンスコース
  • 機能創造理工学科英語コース グリーンエンジニアリングコース

の3学科・2コースで構成されています。3学科は2008年に従来の機械工学科、電気・電子工学科、物理学科、化学科、数学科から再編されてできました。旧来の学科が綺麗に3つに整理されたわけではないので、受験生の方には各学科の扱う範囲と研究室に是非注意していただきたいです。私の出身学科が機能創造理工学科なので、機能創造理工学科からの視点での説明になります。

物質生命理工学科

主に化学、生命科学系の学科です。旧物理学科の原子・分子物理学系の研究室も含まれます。女子比率が4割以上と理工学部の中で一番高いです。

機能創造理工学科

主に機械工学、電気電子工学、物理学系の学科です。学科名からいまいち何をやっているか伝わらない学科ですが、いわゆる機電系をほぼ網羅しているので就職には強いです。

情報理工学科

主に情報工学、数学系の学科です。旧電気・電子工学科のうち、通信工学系の研究室、旧機械工学科のうち生産工学系の研究室も含まれます。注意しなければならないのは、純粋数学の研究室も含まれることで、情報系とだけ思って入学すると研究室配属で痛い目に合う可能性があります。

グリーンサイエンスコース・グリーンエンジニアリングコース

2013年に開設された英語だけで卒業できるコースです。名前は環境系を意識しているようですが、それぞれグリーンサイエンスコースが物質生命理工学科、グリーンエンジニアリングコースが機能創造理工学科に対応します。9月入学しかできないようなので、その点は注意が必要です。

余談ですが、ドイツでの大学院留学の経験から、海外大学院留学におけるハードルや苦労は、大きく分けて「外国語で学問を修めること」に関するものと「外国で生活すること」に関するものの2つに分類できると思いました。もし将来的に海外で学位を取ることを考えている場合、まずは日本にいながら英語で学士号を取得するというのは、前者のハードルをかなり下げることができると思います。

ニム
ニム

今高校生だったら入学したいです!語学で苦労するなら若いうちが絶対いいですよ(笑)

学費

大学進学【学費ナビ】によると、4年間の学費は各学科共通で689万円(初年度納入金 1,864,650円)です。(2023年4月現在)私大理工学部としては若干高い方かもしれません。

関東の私立大学機械工学系学科の学費比較についてはこちら↓

定員・男女比

物質生命理工学科 125人 , 機能創造理工学科 125人 , 情報理工学科 130人の計380名で、理工学部全体の男女比は大体7:3くらいです。

参考までに他大学の定員は以下の通りです。

  • 慶應義塾大学 理工学部:932
  • 早稲田大学 基幹理工学部:595、創造理工学部:595、先進理工学部:540
  • 東京理科大学 理学部第一部:720、工学部:550、理工学部:1240
  • 明治大学 理工学部:1065

上智大学理工学部がどれだけ少人数かがよくわかると思います。

ちなみに私が居た頃は、4年次の研究室配属で指導教員の教授または准教授1人につき4人程度が配属されていました。これは私大ではかなり少ない方で、多くの国公立大学とも遜色ないレベルだと思います。

ニム
ニム

少人数であるがゆえの各種実績の少なさ、OBOGの規模の小ささというデメリットもありますが、よく私大理系のデメリットで挙げられる教員1人あたりの学生数の多さというのは上智理工については当てはまりません。

ネット上の噂は事実か?

私が受験生の頃からありますが、ネット上で上智理工に関するネガティブな噂をよく見ます。それらの噂について卒業生として思うところを述べていきます。

上智大学理工学部は歴史が浅い?

上智大学理工学部は1962年に開設されました。余談ですが、開設時には当時の西ドイツからの支援が多くあり、その名残としてドイツの重工メーカー・クルップ社の名を冠したクルップホールという理工学部の実験棟があります。

ニム
ニム

学生実験で使う器具や装置に”Made in West Germany”と書いてあったりして、個人的にはかなり歴史を感じました(笑)

戦前あるいは戦後間もない頃からある学校も多いことを考えると、上智大学理工学部は比較的歴史が浅いと言えます。しかし、一期生が卒業してから既に50年以上が経ち、現役世代の各年代に卒業生がいるので、歴史の浅さが気になる場面はそうそう起こりえないと思います。上智理工出身の大手企業のトップも出てますし、私が勤めていた会社でも役員に上智理工出身の方がいました。企業トップの人数や就職実績をみると数が少ないと感じると思いますが、それは歴史の浅さのせいではなく、母数となる卒業生の少なさに起因していると思います。

上智大学理工学部は就職で不利?

まずは以下の写真をご覧ください。以前、上智大学のキャリアセンターの掲示板の案内を撮ったものです。

上智大学キャリアセンター主催 技術系職種研究セミナーの案内
上智大学キャリアセンター主催 技術系会社説明会の案内

見てお分かりいただけると思いますが、学内で開催されている理工学部・研究科対象のセミナーや説明会の案内です。これらの会社から人事や卒業生の社員が上智にやってきます。少なくともこれらの会社は掲載当時、上智理工の学生を採用する意欲のあった会社と言ってもいいでしょう。そして、今も大きな変化は無いと思います。

私個人の実感からすると、上智理工卒という学歴は就職に有利に働くかはさておき不利に働くことはほぼ無い(≒いわゆる「学歴フィルター」で引っかかることはほぼ無い)という感じです。

就職実績の良し悪しをどう判断するかは難しいところですが、上智大学は全学の卒業生の就職先を学科・専攻別にほぼ全て公表しているので、それで判断していただければと思います。(リンク先の「卒業・修了者進路状況報告書」)ちなみに上智と同じレベルで就職先を公表しているのは中央大学くらいで、非常に珍しいです。多くの大学は上位就職先しか公表していません。

以下の記事も参考にしてください。

上智大学理工学部からは研究職に就職できない?

どの大学からどれくらい研究職で採用されているか、というデータはほとんど公表されていないと思うので比較などはできませんが、私が知っているだけでも、某元国営企業の研究所や某大手電機メーカーの研究部門などに研究職として就職した人が複数人います。(出身学科の関係上、機電系に偏っています)

分野を絞ると関連する研究室が全く無かったりして無理な道もあるとは思いますが、一般論として上智理工から研究職に就けないことはありません。ただ、大前提として修士までは出ている必要があります。

以上は民間就職での研究職の話ですが、博士課程へ進んで研究者を目指すというパターンについてはかなり少ないです。機電系での博士課程進学者は毎年一人いるかどうかというところです。

意外と知られていない唯一無二の特徴

そもそも上智理工自体あまりメジャーではないですが、実はどの大学にも無い知られざる特徴があります。

それは

東京の都心のキャンパスでありながら、文系学部と4年間同じキャンパスで過ごす理工学部

です!

理学系に限れば立教大学や学習院大学の理学部もありますし、4年間という縛りがなければ東京大学もあります。都心に限らなければ成蹊大学、国士舘大学、東京都立大学など他にもあると思います。しかし、都心にある理工系学部で文系他学部と4年間同じキャンパスという特徴は上智の理工学部にしかありません。

これは、大学は学問を修める場所だということを考えると重要では無い要素かもしれません。しかし、キャンパスやその周辺での様々な出会いや機会は、そこにいる人々や立地に大きく左右されます。その点で様々なバックグランドを持つ学生が集まる上智の四谷キャンパスは唯一無二の個性を持っています。この点が是非皆さんに覚えておいていただきたいポイントです。

最後に

どの大学に行くにしても、大学での4年間というのは色んな意味で人生に大きく作用する期間です。これから大学選びをされる人は納得のいく選択ができることを願っています。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。もしコメント等ありましたらX(旧Twitter)でのDMでご連絡いただければと思います。質問箱(マシュマロ)への質問も随時受け付けています。

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