本記事では、遠い昔の大学受験、特に志望校と受験結果について振り返ってみます。実は横浜国立大学工学部に合格しておきながら上智大学理工学部に進学したので、珍しいケースかと思います。その辺の理由も紹介します。昔話ですが、是非読んでみてください。
志望学部選び
当時は将来の夢として、メーカーで航空機、船舶、鉄道車両といった大きめの輸送用機器の開発に携わりたいと考えていたので、それを実現できる大学・学部学科という視点で選んでいました。今思うと少々短絡的ですが、学科としては
- 航空宇宙工学系
- 船舶工学科系
- 機械工学科系
を志望していました。当時は国産旅客機開発の計画が出てきていた頃だったのもあって、航空宇宙工学系を中心に考えていましたが、絶対的なこだわりがあったわけではないです。
そう言えば航空宇宙工学系のコースは最近増えてますね!
志望校選び
あとは基本的には自宅通学できる範囲で、自分の学力を鑑みて志望校を決めていきました。主には国公立大志望だったのですが、センター試験の得点率で出願校を柔軟に変えるつもりでいたので、特定の大学への思い入れなく、また、早慶に合格したら迷うかもと思っていたので、明確な志望順はありませんでした。
大学受験の話をする機会はもう滅多にありませんが、第一志望がどこだったかと問われるといつも答えに窮します。
また、受験が近づくにつれて、大学に受かるためだけの受験勉強は早く終わりにして、大学の勉強を始めたい気持ちがどんどん強くなりました。そのため、自分の偏差値に比べてかなり難易度の低い大学も志望校に入れました。どの大学でも十分に目標を達成できると考えていたので、どこか一つでも受かれば浪人する気はありませんでした。当時の気持ちは受験のプレッシャーからの逃避の面もあったと思いますが、今でも浪人のメリットはあまりないと思っています。
同じ労力をかけるなら、受かった大学で好成績をとる方が将来のリターンは大きいと思います。
結果、直前期の志望校は以下の通りでした。学部学科名は記憶が間違っていなければ当時のものになっているはずです。なんとなくの志望順に並べています。
私立大学
大学 | 学部・学科 |
---|---|
早稲田大学 | 基幹理工学部 |
慶應義塾大学 | 理工学部学門4 |
東京理科大学 | 工学部機械工学科 |
上智大学 | 理工学部機能創造理工学科 |
豊田工業大学 | 工学部先端工学基礎学科 |
東京理科大学 | 理工学部機械工学科 |
日本大学 | 理工学部航空宇宙工学科 |
神奈川大学 | 工学部機械工学科(給費生試験) |
補足情報
MARCHや芝浦工大は受けずに日大理工
早慶上理の次の偏差値帯の志望校としては、明治青学中央法政や芝浦工大を選ぶ同級生が多かったのですが、自分は日大の航空宇宙工学科に魅力を感じていたので、そちらを志望しました。
日大といえば航研機の木村秀政先生ですよね!プロジェクトXの見過ぎか!笑
非常に魅力的な豊田工業大学
豊田工業大学はあまり知名度がないかもしれませんが、あのトヨタが設立した大学です。もちろん愛知県にあるので地元でなければ下宿必須ですが、学費が国立大学並に安い上に奨学金制度も整備されているので、経済的な負担は少なく済みます。就職先も良いので今考えても受験生にオススメしたい大学ですね。理科大理工学部(野田キャンパス)が家から通えるか厳しいところだったので、豊田工大との比較では上記のような順序になりました。ほとんどセンター試験で選考するので、国公立志望者にとっては受けやすいのもGoodでした。
神奈川大学給費生試験について
当時の神奈川大給費生試験は12月に試験があり、入試の雰囲気に慣れるためとあわよくば合格を勝ち取って勢いをつけようと受けました。実はありがたいことに給費生合格をいただくことができました。詳細は忘れてしまいましたが、後日得点開示したところ、ほぼ満点で全体で10点も落としてなかったと思います。昔の話ですが、問題がほとんど簡単なものしか出なかったので、いかにミスをしないかの勝負でした。
国公立大学
大学 | 学部・学科 |
---|---|
横浜国立大学 | 工学部建設学科海洋空間のシステムデザインコース |
首都大学東京 | システムデザイン学部航空宇宙システム工学コース |
東京農工大学 | 工学部機械システム工学科 |
電気通信大学 | 電気通信学部知能機械工学科 |
東京海洋大学 | 海洋工学部海洋電子機械工学科 |
室蘭工業大学 | 工学部機械システム工学科 |
補足情報
国公立へのこだわり
センター試験の結果に関わらず、国公立大学に行けるようにと様々な大学を調べました。得点率50%くらいであっても出願できるように考えていました。
横浜国立大学が第一志望?
表の順番は志望順というよりは、センターでの得点率の順番に近いです。横浜国立大学が一番上なのは志望コースのセンター試験の配点が高く、センターで高い点が取れたら非常に有利だったからです。大学・学科によって試験の配点が異なるため、センターの結果が出るまではどこに出願するかを決めていませんでした。
なぜ室蘭工業大?
室蘭工業大学は当時JAXAを退官された方が赴任して「航空宇宙機システム研究センター」が開設されたところで、高校生ながらその研究環境に魅力を感じました。入試難易度の表ではかなり下の方に載っているので、センター試験で大きく失敗しても室蘭工大の可能性はある、というのはある意味精神安定剤としても作用しました。
我ながらよく調べたなと思います(笑)当時は機械工学系の学科の中での話でしたが、今では航空宇宙の名を冠したコースがありますね!
受験結果と進学先
試験日 | 受験校 | 結果 | 進学先 |
---|---|---|---|
12/23 | 神奈川大学工学部 | 給費生合格 | |
センター試験 | 日本大学理工学部 | センター利用方式:合格 | |
センター試験 | 豊田工業大学工学部 | 一次試験:合格 二次試験:受験せず | |
2/5 | 東京理科大学理工学部 | 合格 | |
2/9 | 東京理科大学工学部 | 不合格 | |
A方式:2/10 B方式:2/11 | 上智大学理工学部 | A方式:合格 B方式:補欠→繰上合格 | ○ |
2/14 | 慶應義塾大学理工学部 | 不合格 | |
2/16 | 早稲田大学基幹理工学部 | 不合格 | |
国公立前期 | 横浜国立大学工学部 | 合格 | |
国公立後期 | 首都大学東京システムデザイン学部 | 受験せず |
センター試験がそれなりにうまくいき、国公立は前期は横浜国立大学、後期は首都大学東京に出願しました。最終的な結果は以上の通りで、志望通りの横国に合格しながらも進学したのは上智でした。受験前の感覚では横国を選ぶはずだったのですが、受験期間を経て変わってしまいました。
なぜ横浜国立大学を辞退して上智大学にしたのか?
文系では珍しくないとは思うのですが、理系でこの選択をするのはかなりのレアケースではないでしょうか。振り返ってみると、主な理由としては以下の点が挙げられます。
- 理科大工学部の試験に失敗し、翌日が上智だったので、上智には何としても受からねば、と気持ちを高めて臨んだ結果、それがそのまま上智に行きたい気持ちになってしまった
- 上智の試験監督補助の女子大生が可愛かった
- 上智に受かってから、下見として横国に初めて行ったら、家からの遠さ、最寄駅からの遠さにかなり辟易した
- その下見の帰りに横浜駅で宗教系の学生団体に勧誘され、トラウマになった
- 親が「行きたい方に行けばいい」と言ってくれた
以下詳細として、心境が変わっていった経緯を振り返ってみたいと思います。
理科大失敗!そして上智へ
まず、上智の入試の前日の理科大工学部の試験で手応えが悪く、不合格を確信したところから始まります。受験は何が起こるか分からないと思い知った私は、上智で同じ轍を踏むまいと気持ちを引き締めます。
今振り返ると実力通りだったと思うのですが、当時の感覚としては「まさか…」でした
さらに当時の状況が、豊田工大一次試験結果待ち、理科大理工結果待ち、合格していたのは日大理工のみ、だったので、上智も失敗すると横国の試験のプレッシャーがかなりかかってきます。そのため、上智は絶対に受からねば!と受験期間を通じて一番の気合が入ることになります。試験の結果を最後に左右するのは気持ちだと思ったので、あたかも第一志望のような気持ちを作り込んで試験当日を迎えました。
この一連の気持ちづくりは、横国の試験に精神的な余裕を持って臨むため、つまり横国に確実に合格するためにやったんですけど、まさか入学を遠ざける行為だったとは夢にも思っていませんでした…
そして試験当日、受験会場に入ると大きな衝撃が走りました。試験監督補助のアルバイトの女子大生が非常に可愛かったのです。ただし気合がめちゃくちゃ入っていたので、それで集中力が削がれる、なんてことはなく、人参を目の前にぶら下げられた馬の如く猛烈に試験に取り組みました。目論見通り、試験は100%の力を発揮して完全燃焼でしたが、想定外だったのは、試験が終わった時には「上智に行きたい」という気持ちが抑えられなくなっていたことでした。
気持ちを作りすぎたせいか、それとも男子校出身だったせいでしょうか…笑
とにかく初めて他の大学よりも行きたい大学を認識した瞬間でした。
消化試合の早慶
その後、慶應、早稲田の試験はもはや消化試合の様相を呈していて、早稲田の翌日に控えていた上智の合格発表が待ち遠しく、試験中でさえも早く時間が過ぎてくれと願いながら過ごしていました。
早稲田の英語が難し過ぎて鉛筆をサイコロに見立てて転がしたのを今でも覚えています(笑)
ただでさえチャレンジ校だったので、こんな状態では受かるはずもなかったです…
運命の合格発表
当時、上智の合格発表はWEBだけでなく、掲示板での発表も行っていました。せっかくだからと見に行って、その足で横国の下見にいくことにしました。この時点ではまだ横国に受かったら横国に行くつもりだったのですが、掲示板の自分の受験番号を確認して「上智に入学できる」という事実を目の当たりにすると横国への気持ちが急激にしぼみ始めました。これは、その後の下見によって更に拍車がかかりました。
決定的だった横国訪問
当時、神奈川方面に土地勘が無かったため、横浜というだけでも随分遠くまで来た感じがしましたが、三ツ沢上町駅を降りて国道沿いを延々と歩き、正門、そして工学部の校舎にたどり着いた頃には通学は無理かもしれないと感じました。
今だったら相鉄直通線が通ったのでだいぶ印象が違ったかなと思います。
キャンパス自体には悪い印象はありませんでしたが、気持ちを上向かせるものも無く、上智に気持ちが傾いていきました。
そして決定的だったのは、帰りの横浜駅の駅ビル前で宗教系の学生団体の勧誘に引っ掛かったことでした。これは不運としか言いようがないのですが、うぶな高校生だったので本当に怖かったです。途中で駅ビルの警備員の方が気づいて追い払ってくれたので事なきを得ましたが、アホなことに横国の受験生であることを話してしまったので、受験自体やめようかと思ったくらいでした。
高校生に限らずですが、こうした勧誘には注意しましょう。
横国合格、そして辞退へ
その後、横国よりも上智にいきたくなったことを両親に話したところ、特に反対はされませんでしたが、とにかく結果が出てから決めよう、ということになりました。そして、試験は順調に済んで無事合格しましたが、気持ちは変わらず、両親には改めて上智に行きたいと話したところ、行きたい大学に行けばいいと了承してくれて上智に入学することになりました。
これに関しては両親には感謝しかありません。大学院まで6年間も私立の学費を払うとは思ってなかったかもしれませんが…汗
念のための補足ですが、辞退したとはいえ横浜国立大学は魅力的な大学だとずっと思っています。特に工学系の就職実績は非常に良いので、受験生には大いにオススメしたいですね。
最後に
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。このアラサーおじさんの受験話にどこまで需要があるか分かりませんが、少しでも参考になる点があれば幸いです。
国公立理系vs私立理系についての私見はこちら↓
もしコメント等ありましたらTwitterでDMいただければと思います。