本記事では芝浦工業大学について調べたことをまとめます。大学全体について記述をしていきますが、馴染みのある機電系についてのみ言及しているところもありますがご容赦ください。記事中の情報は基本的に全て執筆時の2023年5月時点で確認できた情報となります。
筆者の属性について簡単に述べると上智理工修士卒(機電系学科→電気系研究室)、元電気機器メーカー技術系総合職といった具合になります。(詳細プロフィールもご参照ください)以下、こうした属性からの偏った視点による内容とご理解ください。
学部・学科構成 [1]
工学部
- 機械工学科
- 機械機能工学科
- 材料工学科
- 応用化学科
- 電気工学科
- 電子工学科
- 情報通信工学科
- 情報工学科
- 土木工学科
- 先進国際課程
システム理工学部
- 電子情報システム学科
- 機械制御システム学科
- 環境システム学科
- 生命科学科—生命科学コース
- 生命科学科—生命医工学コース
- 数理科学科
デザイン工学部
- デザイン工学科
建築学部
- 建築学科
伝統的な学科構成の工学部と、工学部と被る分野も多いながらも領域横断的かつ理学系分野も用意されているシステム理工学部、デザイン工学系のデザイン工学部、建築系が独立した建築学部で構成されています。なお、工学部は2024年から学科制から課程制に移行し[2]、今の学科構成をベースに、より領域横断的に学べるようになるみたいです。
学生数・入学定員
学生数 [3]
工学部
学科 | 男性 | 女性 | 計 |
---|---|---|---|
機械工学科 | 475 | 45 | 520 |
機械機能工学科 | 450 | 54 | 504 |
材料工学科 | 361 | 53 | 414 |
応用化学科 | 328 | 134 | 462 |
電気工学科 | 401 | 32 | 433 |
通信工学科 | 3 | – | 3 |
情報通信工学科 ※ | 429 | 41 | 470 |
電子工学科 | 413 | 37 | 450 |
土木工学科 | 353 | 73 | 426 |
情報工学科 | 437 | 61 | 498 |
先進国際課程 | 13 | 3 | 16 |
学部全体 | 3663 | 533 | 4196 |
システム理工学部
学科 | 男性 | 女性 | 計 |
---|---|---|---|
電子情報システム学科 | 441 | 48 | 489 |
機械制御システム学科 | 343 | 48 | 391 |
環境システム学科 | 306 | 96 | 402 |
生命科学科 | 271 | 185 | 456 |
数理科学科 | 272 | 41 | 313 |
学部全体 | 1633 | 418 | 2051 |
デザイン工学部
学科 | 男性 | 女性 | 計 |
---|---|---|---|
デザイン工学科 | 462 | 220 | 682 |
建築学部
学科 | 男性 | 女性 | 計 |
---|---|---|---|
建築学科 | 687 | 346 | 1033 |
入学定員 [4]
工学部
機械工学科 | 114 |
機械機能工学科 | 114 |
材料工学科 | 104 |
応用化学科 | 104 |
電気工学科 | 104 |
情報通信工学科 | 104 |
電子工学科 | 104 |
土木工学科 | 104 |
情報工学科 | 114 |
先進国際課程 | 9 |
学部 計 | 975 |
機械工学系が2学科あり、電気電子工学系が電気工学と電子工学に分かれていて、そしてそれぞれの学科が他大の機械工学科や電気電子工学科と同規模というのは充実の体制ですね。課程制に移行することで近い領域での研究室選択の幅が広がり、スケールメリットがより活きることになります。(というよりは、従来は近い領域でも学科で区切られていたわけで、今までがもったいなかったと言えるかも)
システム理工学部
電子情報システム学科 | 115 |
機械制御システム学科 | 90 |
環境システム学科 | 90 |
生命科学科 | 115 |
数理科学科 | 75 |
学部 計 | 485 |
カバーする分野が工学部よりも広いのに学部の規模は半分ほどなのは少し意外でした。自分の興味と合致する研究室があるか、というのは少し確認しておいた方がいいかもしれません。研究室のラインナップは毎年変わりうるのであくまで参考程度ですが。
デザイン工学部
デザイン工学科 | 160 |
建築学部
建築学科 | 240 |
教員数とS/T比
2022年度の学部ごとの専任教員数、専任教員一人当たりの学生数(S/T比)は以下の通りです[4]。
学部 | 教員数 | S/T比 |
---|---|---|
工学部 | 165 | 25.4 |
システム理工学部 | 78 | 26.3 |
デザイン工学部 | 20 | 34.1 |
建築学部 | 37 | 27.9 |
前回調べた法政大学理工学部と比べるとS/T比は低いですね。さすが理工系大学といったところでしょうか。
キャンパス
豊洲キャンパス [5]
東京都江東区豊洲3丁目7番5
東京メトロ有楽町線「豊洲駅」1cまたは3番出口から徒歩7分 など
芝浦工大といえば、この綺麗な豊洲のキャンパスが思い浮かびますね。工学部、デザイン工学部の各3・4年生、建築学部の全学年が学んでいます。
大宮キャンパス [6]
埼玉県さいたま市見沼区大字深作307番地
JR宇都宮線(東北本線)「東大宮駅」よりスクールバス5分、徒歩20分
工学部およびデザイン工学部の1・2年生とシステム理工学部の全学生が学んでいます。芝浦工大といって大宮キャンパスを思い浮かべる人は少ないかもしれませんが、建築学部以外の学生は必ず大宮キャンパスに通学することになります。だいぶ郊外ですが、その分緑が多く、体育や福利厚生的な施設が充実してそうです。
学費
4年間の学費は655万円(初年度納入金 1,796,880円、工学部機械工学科)です[7]。私大理工学部としては標準的か少し高いくらいの額でしょう。
学費のデータは大学進学【学費ナビ】を参照しています。
設置年など [8]
1927年 東京高等工商学校設立
1949年 芝浦工業大学設置
1963年 大学院工学研究科修士課程設置
1991年 システム工学部設置
2009年 デザイン工学部設置、システム工学部をシステム理工学部に名称変更
2017年 建築学部設置
戦前から歴史をもつ学校です。大学としては戦後の学制改革での新制大学として設置されたところからスタートですが、旧制大学からの歴史をもつ理工系大学は数少ないので、かなり長い伝統があるといっていいでしょう。
進路について
院進学率
大学院進学率は分野による差が大きいので、ここでは機電系に絞って紹介すると、以下の通りでした[9]。
工学部
機械工学科 | 45.9% |
機械機能学科 | 39.2% |
電気工学科 | 45.0% |
電子工学科 | 29.0% |
システム理工学部
電子情報学科 | 26.1% |
機械制御システム学科 | 56.8% |
学科によってかなりばらつきがありますが、半数ほど進学する学科も多く、院進学が普通のことである雰囲気がありそうです。博士後期課程への進学者は各専攻0〜数名のようです[9]。
就職
2022年3月卒業・修了の全学での主要就職先トップ50(おそらく就職者数4名以上の途中まで)が公表されています。以下いくつかのポイントで抜粋して紹介します。
まず、就職人数10名以上の上位各社は以下の通りです[9]。
就職先 | 総計 |
---|---|
清水建設 | 15 |
三菱電機 | 12 |
東海旅客鉄道 | 12 |
本田技研工業 | 11 |
東京都特別区 | 11 |
SUBARU | 10 |
清水建設と特別区は建築・土木系の就職先という感じですね。トップ50にはゼネコン各社が多く入ってました。他にも名だたる大手企業が並んでいます。
次に電機大手8社の実績を見ていきます[9]。
就職先 | 総計 |
---|---|
三菱電機 | 12 |
日本電気 | 5 |
日立製作所 | 4 |
ラインクインしていたのは以上の3社のみ。他社が実績4名以下というのは若干少ない気もします。
次にランクインした自動車大手各社は以下の通り[9]。
就職先 | 総計 |
---|---|
本田技研工業 | 11 |
SUBARU | 10 |
いすゞ自動車 | 7 |
トヨタ自動車 | 5 |
スズキ | 5 |
三菱自動車工業 | 4 |
圧巻の実績ですね。機械工学系の学科が多いのも影響していると思います。
個人的に気になったランクイン企業はこちら[9]。
就職先 | 総計 |
---|---|
スタンレー電気 | 8 |
イビデン | 5 |
それぞれ自動車部品、電子部品製造の大手メーカーですが、どちらも新卒採用の人数は100名ほどのようです。その中で芝浦工大から上記の人数が就職しているのはかなり多いと思います。
おわりに
芝浦工大は工業大学の名門としてもちろん知ってはいたのですが、今回調べてみて、私が受験生の頃から学部構成やキャンパスの設備などが少し変わっていることがわかりました。また、本記事では取り上げなかったのですがグローバル化の施策が多く講じられているようです。(機会があれば別の記事でまとめてみたいと思います)こうしたことから、芝浦工大には改めて良い印象を抱きました。
早速記事書きました↓
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。もしコメント等ありましたらX(旧Twitter)でのDMでご連絡いただければと思います。質問箱(マシュマロ)への質問も随時受け付けています。
出典
[1] 芝浦工業大学.「教育・研究情報」. https://www.shibaura-it.ac.jp/about/info/, (参照 2023-05-07)
[2] 芝浦工業大学.「2022年度学生数」https://www.shibaura-it.ac.jp/about/info/student_number/.(参照 2023-05-07)
[3] 芝浦工業大学.「芝浦工業大学工学部改組」https://newengineering2024.shibaura-it.ac.jp/index.html. 芝浦工業大学工学部課程制 特設サイト.(参照 2023-05-08)
[4] 芝浦工業大学.「2022(令和4)年度 大学基礎データ」https://www.shibaura-it.ac.jp/albums/abm.php?d=4882&f=abm00023891.pdf&n=2022%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF.pdf.(参照 2023-05-08)
[5] 芝浦工業大学.「豊洲キャンパス」 https://www.shibaura-it.ac.jp/about/facility/toyosu_campus.html, (参照 2023-05-08)
[6] 芝浦工業大学.「大宮キャンパス」https://www.shibaura-it.ac.jp/about/facility/omiya_campus.html,(参照 2023-05-08)
[7] 学費ナビ. 「芝浦工業大学工学部機械工学科」. https://www.gakuhi-navi.com/school/2618, (参照 2023-05-02)
[8] 芝浦工業大学.「沿革」https://www.shibaura-it.ac.jp/about/educational_foundation/summary/history.html,(参照 2023-05-08)
[9] 芝浦工業大学.「2021年度卒業生就職・進路データ」https://www.shibaura-it.ac.jp/career_support/data/,(参照 2023-05-08)