【理工系大学】成蹊大学理工学部【調べてみた】

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本記事では成蹊大学理工学部について調べたことをまとめます。学部全体について記述をしていきますが、馴染みのある機電系についてのみ言及しているところもありますがご容赦ください。記事中の情報は基本的に全て執筆時の2023年7月時点で確認できた情報となります。

筆者の属性について簡単に述べると上智理工修士卒(機電系学科→電気系研究室)、元電気機器メーカー技術系総合職といった具合になります。(詳細プロフィールもご参照ください)以下、こうした属性からの偏った視点による内容とご理解ください。

学科構成 [1]

  • 理工学科

理工学科の一学科体制で、理工学科にデータ数理専攻、コンピュータ科学専攻、機械システム専攻、電気電子専攻、応用化学専攻の5専攻が設置されています。理工学部と言いつつ、理学系はかなり限られているようなラインナップの印象です。以前の3学科(物質生命理工、情報科学、システムデザイン)時代よりもをどの分野を学べるのかが分かりやすくなりました。

学生数・入学定員

学生数 [2]

学科合計
物質生命理工学科(2021年入学以前)150100250
情報科学科(2021年入学以前)24862310
システムデザイン学科(2021年入学以前)21441255
理工学科(2022年入学以降)769166935
学部全体13813691750
2023年5月1日現在

入学定員 [3]

理工学科420
2022年度

他大学の理工学部に比べるとかなり小規模です。小規模ながら、一般に実験設備などを要する機電系分野を抱えているのは素晴らしいですね。

また、旧学科の学生数を比較してみると、情報科学科の人数が全体の4割弱を占めています。人員的には情報系に偏った理工学部であることが分かります。

教員数とS/T比

2022年5月1日時点の理工学部の専任教員数81[4]、専任教員一人当たりの学生数(S/T比)は21.7でした[4]。

S/T比は前回までに調べた法政大学理工学部芝浦工大明治大学理工学部中央大学理工学部のいずれよりも低く、青山学院大学理工学部と同じくらいです。

キャンパス[5]

東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1

JR中央線・総武線、京王井の頭線吉祥寺駅より徒歩約15分、他

他学部と同じキャンパスで4年間学びます。都内私大で文系学部と4年間同じキャンパスの理工系は珍しいですね。

学費

4年間の学費は633万円(初年度納入金 1,761,600円、理工学部理工学科)です[6]。私大理工学部としては標準的か少し高いくらいの額でしょう。

学費のデータは大学進学【学費ナビ】を参照しています。

設置年など [7]

1962年 成蹊大学工学部設置

1966年 大学院工学研究科設置

2005年 成蹊大学工学部を理工学部に改組

60年代に設置された比較的新しい学部です。比較的新しいと言っても、すでに一期生が現役を引退している年代なので、設置がもっと古い大学との差を感じる場面は少ないと思います。理工学部になったのは2000年代に入ってからなので、学科の分野が工学寄りなのも納得ですね。

進路について

院進学率

大学院進学率は分野による差が大きいので、機電系学科の数値を紹介します。2022年度の理工学部システムデザイン学科の院進学率は21.7%でした[8]。(ソース内の卒業生数と大学院進学者数から筆者が計算)システムデザイン学科は純粋な機電系学科というわけではないので留意が必要ですが、進学率は低めと言えるでしょう。

就職

成蹊大学の公式HPでは2023年3月卒業・修了の学部ごと(+理工学研究科)の就職先が1人単位で公表されています。このレベルで就職実績を公表しているのはかなり珍しいです。では、理工学部と理工学研究科の就職実績について、いくつかのポイントで抜粋して紹介していきます。

まず、理工学部・理工学研究科からの就職人数3名以上の上位各社は以下の通りです[9]。

就職先合計学部卒院卒
NTTデータアイ13130
SCSK1091
三菱電機633
日立製作所523
日立システムズ550
本田技研工業413
NECネッツエスアイ440
かんぽシステムソリューションズ440
キヤノンITソリューションズ431
第一生命情報システム440
日立ソリューションズ・クリエイト431
富士ソフト440
三井住友トラスト・システム&サービス431
鹿島建設330
スズキ321
SUBARU330
NTTデータフィナンシャルテクノロジー330
日立ソリューションズ330
東日本電信電話330

まず、SIerがかなり多い印象です。これは就職実績全体の傾向としてもそうで、理工学部・理工学研究科からの就職者数計343名(学部卒283名、院卒60名)のうち、なんと160名がSIer系の企業に就職しています[9]。情報系の学生が多いとはいえ、これはかなりの割合といえます。

上位就職先のSIer以外は技術系の大手企業が並びます。成蹊理工のような小規模大学から複数人採用するような会社は自ずと採用人数が多い大企業に限られてくるという側面もありますが、なかなか良い印象を受けました。

次に電機大手8社の実績を見ていきます[9]。

就職先合計学部卒院卒
三菱電機633
日立製作所523

次に自動車大手各社の実績は以下の通り[9]。

就職先合計学部卒院卒
本田技研工業413
スズキ321
SUBARU330
日産自動車211
いすゞ自動車110
トヨタ自動車110

電機、自動車とも大手複数社への実績がありますね。学部の規模感に加え機電系の学生が少ないことも推測されるので、そこを加味するとなかなか良い印象です。

大学院機電系の就職実績については別の記事↓で紹介しています。

おわりに

成蹊理工は僕の母校の上智理工と似ている要素(規模感、文系と同キャンパス)があり、親近感がありましたが、改めて調べてみて、院進学率の低さ、SIerへの就職者数の多さなど新たな発見がありました。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。もしコメント等ありましたらX(旧Twitter)でのDMでご連絡いただければと思います。

出典

[1] 成蹊大学.「理工学部 学科・大学院」https://www.seikei.ac.jp/university/rikou/department/, (参照 2023-07-04)

[2] 成蹊大学.「学部学生数」https://www.seikei.ac.jp/gakuen/pdf/gakubu.pdf, (参照 2023-07-04)

[3] 成蹊大学.「入学定員・収容定員‐学部」https://www.seikei.ac.jp/university/edu_info/Nyugakuteiin_Syuyouteiin.pdf, (参照 2023-07-04)

[4] 成蹊大学.「教員一人あたり学生数」https://www.seikei.ac.jp/university/edu_info/Number_of_GakuseiPerTeachingStaff.pdf, (参照 2023-07-04)

[5] 成蹊大学.「交通アクセス」https://www.seikei.ac.jp/university/aboutus/accessmap.html, (参照 2023-07-04)

[6] 学費ナビ. 「成蹊大学理工学部理工学科」. https://www.gakuhi-navi.com/school/6393, (参照 2023-07-04)

[7] 成蹊大学.「学園の沿革」https://www.seikei.ac.jp/gakuen/struct/history.html, (参照 2023-07-04)

[8] 成蹊大学.「2021年度 卒業後の進路(学部)」https://www.seikei.ac.jp/university/edu_info/latest-sotugyogo-sinro-gakubu.pdf, (参照 2023-07-04)

[9] 成蹊大学.「産業別就職状況」https://www.seikei.ac.jp/university/job/docs/syusyokujokyo_2018-2022.pdf, (参照 2023-07-05)

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