【雑感】技術系就職を目指すなら修士まで行くべき?

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技術系就職、特に研究開発職での就職を目指す場合、大学院へ進学して修士課程までは修了すべし、という話聞いたことはありますか?

これは就活において結構ホットなトピックで、メーカーの採用ページのQ&Aでは「学部卒ですが院卒と比べて不利になりますか?」系の質問をよく見ることができます。説明会などでもよくある質問で、就活生の時も会社で採用に携わっていた時も何度も見ました。

おそらくどの会社でも同じような回答をしていて、このよくある質問に対するよくある回答としては、「学部卒か院卒かどうかに関わらず人物本位で採用しています」とか「同じ採用基準に基づいて選考しています」とか、さらに「どちらも採用の実績がございます」とかそのような文句が並びます。

さて、そんな回答をしておきながらも、蓋を開けてみれば研究開発職での学部卒の採用0人なんて会社は多いと思います。事実、私のいた会社でも学部卒の研究開発職での採用はかなり珍しかったです。しかしながら、院卒に対して学部卒を差別している、という会社もほとんど存在しないのではないかと思っています。つまり、単純に選考において院卒の学生の方が学部卒の学生よりも高評価を受ける場合が多いのでは、ということです。

どういうことかというと、差別がないからこそ、学部卒の学生にとっては院卒と同じ土俵で比べられるので不利になる可能性がある、ということです。院卒の学生は学部生に比べて、短くても2年余計に大学で過ごしています。しかし、この2年は学部での2年間とは異なり、よっぽど不真面目でない限りは少なくとも以下のような経験をしています。

  • 研究室のミーティングや学会発表で大勢の前で発言する
  • 研究活動で先輩や教授などの手を借りながらも自分で研究を進める
  • 教授や学外の先生などとの、社会人としてのコミュニケーションをとる


これに加えて、専門分野のスキルや知識も深まっていたりするわけなので、会社として差別する意図はなくても、面接の場において院卒の方が自然と評価が高くなってしまうことは想像に難くないと思います。例えば、同一人物が学部卒の時と院卒の時に評価されたら、院卒の時の方が高い評価を得やすいと思いませんか?

一方で、院卒で入社した人と、同い年の学部卒で入社した人(つまり入社3年目)と比べると、後者の方が優秀かもしれません。また、会社によっては学部卒の志望者を評価する際には院卒と2年の差があることを鑑みて、よりポテンシャルを評価するところもあると思います。しかしながら、院卒が多く採用されている状況を見ると、多くの企業はポテンシャルよりも目に見える違いを重視しているのかもしれません。

さて、以上を踏まえるとタイトルの結論としては、行けるなら行ったほうが良い、となります。しかし、多くの企業は学部卒に門戸を閉ざしているわけではなく、結局本音は「優秀なら院卒だろうが学部卒だろうが採用したい!」なので、学部卒だから研究開発職は無理と思わずに積極的に応募することをお勧めします。ダメだったら院進すればいいわけです。もしかすると学部卒の学生の遠慮も研究開発職に院卒が多い一つの理由かもしれません。

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