男性が育休を取るべき5つの理由

その他

娘が生まれてから半年が過ぎた。

表題について、現在我が家において家事育児を主に担うものとして感じたことをベースに語りたい。

前提として我が家の状況を簡単に説明すると、娘は第一子で、私は娘が生まれてから今まで就労しておらず、専業主夫のような状態。妻は産休前までフルタイム勤務で、産休・育休を経て産後4ヶ月ほど経った時に職場復帰(フルタイム)した。産後4ヶ月での復帰は女性としてはかなり早い部類と思うが、男性であれば今の日本では少し長めの育休を取得したような状況ではないだろうか。休んでいた期間という観点から見れば、フルタイム勤務で数ヶ月の育休を取得した夫と長期の育休取得あるいは専業主婦の妻のカップルの男女逆転版と考えてもらうとわかりやすいかもしれない。

ということで、実は僕が育休を取ったわけではないのだが、主夫(主婦)側の視点と育児にコミットした経験に基づいて、男性が育休を取るべき理由を以下述べていく。

新生児・乳児の世話を一通りできるようになる

ここで強調したいのはいつでも代わりができることの重要性だ。我が家では僕が体調を崩した時など本当にヤバい時には妻は仕事を休む心づもりをしてくれている。実際のところはまだ妻に仕事を休んでもらったことはないが、休日に少し休ませてもらったりすることは多々あり大いに助かっている。これが可能なのは妻の僕に対する思いやりもさることながら、当然妻も娘の世話を一通りできるからである。娘の世話にあたって僕じゃないとできないことはないし、申し送りはするとしても指示を出す必要もない。これがもしパートナーにお世話を代わってもらうことに不安があると、休むことがなかなかできなくなる。また自分が休むわけにはいかないというプレッシャーも心理的な負担になるので、どんどん辛くなっていくだろう。普段どれだけの育児負担を担えるかという点は育休だけでどうにかなる問題ではなく、育休から復帰してフルタイム勤務をしているとどうしても多くは担えなくなるのはしょうがない面もある。しかし、育休中に身につけた育児のスキルは復帰後にも活きてくる。いざとなれば誰かに頼れる環境であれば、ワンオペであっても気持ちが楽になってもう少し頑張れたりするものだ。それがパートナーであればどれだけ心強いだろうか。

育児の方針やり方を一緒に決める

子供が産まれて育児が始まると色んな作業のやり方を都度決めていく必要がある。それは作業者にとってやりやすいかという観点と我が子に合ったやり方は何かという観点がある。どちらの点においても2人で決めるべきことだと思う。子どもの特性は千差万別のため、一般的なベストプラクティスに従うだけでは不十分で、試行錯誤をしながら自分たちが感じたことを反映させたりして、お互い納得して決めていく必要がある。育児は基本的には夫婦ともに初心者であるはずで、夫婦間の育児のスタート時点での差は、あったとしても出産直後の入院期間分くらいだろう。退院してからの数ヶ月はお互い不慣れな中で模索していくことになる。その期間だけでも2人で取り組めば、作業はするけれど内実は妻の指示に従うだけという主従関係を作らずに済むのではないだろうか。職場復帰して作業負担が変わってからも育児にコミットし続けるためには、これが大事だと思う。

苦楽を共にする

育児はこの半年を振り返っただけでも、しんどい要素、幸せな要素がどちらもたくさんあった。それらを夫婦で一緒に経験することには価値があると思うし、むしろそれがないと埋められない溝ができてしまう気もする。特に育児のどの部分がしんどいのかは実際やって見ないと実感が湧かないものではないだろうか?

妻の産後の回復を助ける

男性育休の取得促進は女性の育児負担を減らすという文脈で語られがちだけど、それはもう大前提だと思う。とりわけ新生児期の育児は二人でやっても大変なものだ。出産直後の妻の様子を振り返ってみると、妻がワンオペで育児することは正直考えられない。身体の回復が遅れただろうし、メンタル面でも大変なことになっただろう。

何よりも子供との幸せな時間を捨てるのはもったいない

突然だが、ここで僕の父の話を紹介する。我が家は父は激務で有名な某社勤務で母は専業主婦、そして子供は僕を含めた3人兄弟という家庭だった。兄と自分は小さい頃に父とは平日に会ったことがないし、休日出勤も多かった。僕が小学校低学年の頃からはずっと単身赴任で月に一度も会えなかった。歳の離れた弟なんかは物心ついた時からずっと年に数回しか会ってないと思う。時は流れ現在、兄には子供が2人いるのだが、最近兄が子供たちを連れて帰省した時の様子を母が教えてくれた。母曰く「お父さんが(孫)くんとずっとじゃんけんしてるのよ」という。なんだ、家族の時間も取れない企業戦士だった父もようやく孫との団欒を得たのか、と温かい気持ちに一瞬なったのだが、次いで放たれた母の言葉によってそれが勘違いだと分かった。

「あの人、小さい子供への接し方が分からないのよねぇ。じゃんけんしかできないの。」

こんな哀しいことってあるだろうか。

この6ヶ月間、娘の成長を日々感じてきた。今では両親である僕と妻のことを認識できるようになり、混じりっ気のない満面の笑みを向けてくれる。育休の議論では育児の負担について語られがちで、メリットに目を向けても、やれリスキリングだの生産性が向上するだのいかに役に立つかという論点が多いが、育休とは我が子とじっくり向き合える期間であり、シンプルにこんな幸せで贅沢な期間はないのだ。

おわりに 〜復帰後について〜

育児は何かと気が張るもの。時間が空いても細切れであり、気が休まらない。 専業主夫の立場からすると、復職後も仕事から帰ったら育児を代わってくれると非常に助かる。

我が家の場合、妻は仕事から帰ってきたら子供と接したくてしょうがないようで、喜んでお世話をしてくれる。自分は妻に育児をバトンタッチして夕食の準備など別の家事に取り掛かるのが平日のルーチンだ。ただこれは逆の立場だったらできるのか?とよく自問自答している。いくら子供が可愛くても仕事で疲れていたらそれなりの負担感があるだろう。この点は妻に感謝している。(何より娘を産んでくれたことに感謝である)

最後に、第二子以降、もし働いていても長期の育休を取るという決意表明を持って結びとしたい。

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