これから大学進学を考えている中高生に声を大にして言いたいことがあります。
それは、大学では良い成績を取るべき、です。
昔は大学の成績が悪くても何とかなるものでした。かくいう私も成績が悪く、面接官に「君、成績あんまり良くないね〜。まあ、関係無いけどね。」と言われたことがあります。これは入社した会社の面接での話なのですが、今振り返ると冷や汗が出ます。というのも、昨今の就活で企業は成績を見るようになっていると感じるからです。かつて大学名がその人の基礎能力を測る指標だったように、今は成績がその役割を担うようになってきているのかもしれません。この結果として起きるのは、難関大学で並の成績の学生よりも、それより「ランク」が下の大学の優秀な学生の方が評価されるということです。
就職以外の面で一番影響があるのは、大学院など学位取得のための海外留学です。留学をまだ考えていない人はピンと来ないかもしれませんが、欧米の大学院受験の際には日本のような筆記試験を課すところは多くありません。基本的には書類選考のみで、選考にあたっては学業成績の占めるウェイトが非常に大きいのです。成績が悪いと、他の面でカバーしなければいけなくなり非常に苦労します。海外留学においては日本国内の大学のランクはそこまで評価されない場合が多い(世界大学ランキング上位の大学なら加点するところもあるようです)ので、「いい大学」に行くことよりも良い成績を取ることが大事、となります。
話が脱線しますが、これについて補足すると、日本の大学が海外ではあまり認知されていないこともあるとは思いますが、日本の大学というだけで一定水準以上の教育が実施されていると見なされていることが背景にあるのではないかと思います。世界を見渡すと、大学と名乗っていても、その教育内容が怪しい教育機関がごまんとあります。教育制度がよく整備され、長年きちんと運用されている日本においては、Fランと呼ばれる大学であっても、文科省に認可された大学である以上は世界的には価値ある学位なのです。(例えばドイツではAnabinと呼ばれる海外高等教育機関のデータベースがあり、日本の大学は基本的には全て、ドイツの大学に準ずるという評価で登録されています。)
特に高校生以下の場合は将来の留学なんて考えられない人も多いと思いますが、いつどこで志すかは本人でも分かりませんし、志していなくても会社派遣の留学などの機会が巡ってくる場合もありえます。その時に後悔しないで済むように、大学に入ったらなるべく好成績をキープしましょう。
成績だけで全てが決まるわけではないですが、上述の就職だけでなく、国内大学院進学でも事が有利に働くことが多いので、取っておくに越したことはありません。良い成績を取ることによるメリットと取らないことによるデメリットは確実に大きくなってきています。